手術をしてからのももちゃんママの生活です。
こうして乳がんと共に生活しています。
医療費もかかりますし楽なものではありません。ただ他のガンと違って生存率も高いですし
進行がおそいのも特徴かも知れません（中には
進行の早いのもあります）。参考になれば幸いです。

麻酔のマスクがかぶせられた。必死で吸ってみるが眠くならない。
あせってると麻酔医が「今から入れますね〜」
（私は普通の空気を一生懸命吸っていたらしい）
吸って・・・眠くならない。
吸って・・・ヤバイ！
吸って・・・記憶がない（吐いた記憶がない）

ＩＣＵに戻ってきたら先生が
「よ〜がんばった！マスクとったるな。
頑張ったな、頑張った」の声　でもウツロ。

次に「終わったよ。悪いもの全部取ったからね。
済んだよ」と大龍人パパの声。ボンヤリして見えない。
夫、ヨシノちゃん、弟。目をこらしても見えない。
あとから聞いたのだが目はしっかり開いていたらしい。

騒々しいＩＣＵで目覚める。
時間を聞いたら６時との事。走り回る医師　看護師。
家族の叫び。でも　ももちゃんママはまだウツロ・・・・。寝てたら術側の脇がジンワリ熱い。
麻酔が切れてきたのかな〜と思っていたら
いきなり焼けた石か鉄をにじりつけられたような
激痛。「あつい・・・とにかく熱い！！」
ベッドの柵にしがみつくのと同時に
ナースコール。息も出来ないくらい熱い　燃えるような
感じ。
すぐに座薬で痛み止めをしてもらう。
効き始めると又　眠り出す。
緊迫感のあるＩＣＵ内で再び目覚める。
１２時を過ぎたとの事。
視界もはっきりして普通。手術を終えた安堵感が
広がる。心電図の音、自分の体に刺さっている何本もの
管。どうなっているのか分からない。胸があるのかも
・・・横をみたらミトンをしたおばあさんが踊っていた。
寝れないまま朝。お腹がすいている。
主治医の先生が来てくれた。
「ここにいたら病人になるから部屋に帰ろうな」と
言われＩＣＵを出る。歩いて病室へ。
ちなみに我が病院でガンの手術をして
半日でＩＣＵから出て　歩いて帰ってきたのは
私が始めてだったらしい。先生に昼ご飯のお願いをして
レントゲン室へ。途中先生が来てくれて　連れて行ってくれた。
店に電話を入れたら母から
「どこから電話してるの！」と叫ばれ
「病院」と答えたら呆れられた。
母は三日はＩＣＵと聞いていたので
むちゃくちゃ驚いたらしい。

この事はももちゃんママの人生観を変えた出来事。
手術の前の日　特別入浴が許される。
入院経験のないももちゃんママは初めてのお風呂でした。
行くと女の人が先に入浴していた。彼女は色々説明してくれた。説明しながら手術の話になった。
彼女は肺がんで早くから先生に手術を言われていたのに
決心がつかないで　入院して１ヶ月たっても
逃げ回って　やっと明日受けるとのこと。
彼女は「怖くないの？乳がんの手術だよ」という。
私は「悪いものは切らないとなくならないよ」というと
「怖いねん　怖いねん」。色々お話して
脱衣所で「明日うちの方が９時からだから
ＩＣＵで待っっとくからね」と再会を約束して。

手術が遅れたのは彼女の手術。
ＩＣＵの緊迫感「おばちゃんが嫌や嫌やと言うたのに
先生がしたからこんな風になったんや〜」という
若い女の人の叫び。
「えっ！あの人悪いの？危篤？輸血が足りへん？」
次の日　私はＩＣＵを出ました。
二日後　彼女は息を引き取りました。あの時
手術をしてなかったらもう少し生きられてかもしれない。
一緒にお風呂に入ったのに！お話したのに！！
私は生きて　彼女は死んだ。
あまりにもショックだった。自分が告知された事より
ガンになった事よりショックだった。
生きている・・・当たり前だった事が
生きているから見る事も出来るし
何でも出来る。
彼女が死んだ日　廊下で髪を洗ってもらった。
とっても気持ちが良かった。私は今こうして
髪を洗って貰っているけど　彼女は死んでしまった。
一緒にお風呂に入った同士なのに・・・
髪を洗われながら大声で泣いた。
自分はこうして生きているということ。
そして　大切に生きようと思った。
彼女に分も、そして生きられる命を大切にしようと、感謝して生きる。
その日から全てにおいて感謝するようになった。
優しくもなったし強くもなった。
　

癌の種類は乳頭腺管ガン。ステージ�T、非浸潤ガン、リンパ節転移０、レベル�Tまで郭清。悪性度�T、ホルモンレセプター（＋）断端陽性。
扇状温存法、実際は下半分が切除（４等分して下部分の内側にしこり）　発生率４％の部分にガン発生。

外科治療が済んでから
ホルモン療法でノルバデックス１０ｍｇ朝２錠服用、途中アリミデックスに変更（５年間）
放射線治療（リニアック）３０回　５０グレイ。
大阪労災病院で週５日　２ヶ月受ける。
毎日通いました。マーカーで位置決めされているので
２ヶ月半身浴。放射線焼けやかゆみを起こしました。
３０回のうち５回が追加照射だった為
一年間月一回労災に通う。写真は照射中　おひなさまの
時期だったので病院がロビーに飾っていたものです。
分厚い壁、赤色灯とともにドアが開き大きな機械でした。この治療で改めてこんなのをしないと治らない病気、怖さを認識しました。

現在　月一回の定期検診。
その間に血液検査、レントゲン、骨シンチなどの
経過観察をしています。
アレルギー体質でホルモン療法をしたので
現在自己免疫疾患傾向で治療中。

ホルモン療法を始めてから更年期症状が出ました。
脱毛、不眠、気分減退・・・・手のかぶれ。
その後　アレルギー体質であった為、自己免疫疾患を起こしている事が判明。現在はステロイドを服用しています。

アレルギーｉｇＥ抗体　２３０（通常ＭＡＸで１７０）
抗核抗体　４０

ももちゃんママが一番困っている症状です。

・まずストレスを溜めないようにしている事と無理をしな　い事。
・リンパを切っているので土いじりをしてません（ガーデ　ニングなど）・・・傷も気をつけているかな。
・右手（術側）重いものを持たない（ショッピングカート　を使ってます・・・ベンツと呼んでいます）
・手を疲れさせない。絞め付けるようなものは着ません。　術側は点滴、注射、血圧は測ってはいけません。
・ブラはシームレスのものを使っています。術後すぐは前　開きを愛用。
・浮腫を気をつけていますね。
・胸を打たないようにしています。
・無理して頭の上にあるものは取らない。

＊術側の脇　肩にかけて感覚がありません（リンパ郭清で
　神経が切れているそうです）
＊下部分がないので胸に力を入れると・・・お辞儀をしま　す（笑）
＊雨・寒さなど気候の変化が傷跡にきます。
＊急に体を動かしたり伸ばしたりすると痛い。

・・・と書いていると大変！と思いますが馴れてくると平気ですよ。手術とはいえ大怪我したのと同じくらい体はダメージを受けているので何ともない方が変です。

＜ご家族の方へ＞
「どうしても心配させたくない」のと「病気だからと甘えたくない」という思いで無理してしまうのも事実です。だからさりげなく手助けして下さい。特別扱いは不要ですが
理解をしてあげて下さい。
そして
「大丈夫」と声をかけて上げてください。

＜乳がんのあなたへ＞
病気を理解して「焦らず無理せずあなどらず」です。泣きたい時は泣いてください。でも　家族には「ありがとう」の言葉を忘れないように。家とかにいると一人ですが同じ病気をしていて同じ思い、悩みを持っている人はこの世の中に同じように頑張っています。

このページや「大龍人パパ」のページも家族に読んでもらってもいいかもしれませんね。
インターネットや患者会の参加も良いと思います。
決してあなたの悩みはあなただけに起きてる事ではありません。かといってコソコソしなくてもいいです。

不運にも病気になりましたが、私達は悪い事をしたのでは
ありません。堂々として生活を楽しみましょう。
温泉にも入ってみましょう♪
新しく前向きに生きましょう。

＜世の中へ＞
早くこの病気の完治の薬を作ってください。乳がんを知ってください。
自殺願望のあるあなたへ・・・
生きたくても病気の為、死んで行かなければならない人達がいます。悔しい思い、残念な思い、この２年で何人もの友人を見送りました。あなたは生きれるのです。もう一度命を考えてください。

＜追伸＞
３年目を迎えようとしている時　主治医が亡くなりました。最後までガンを治療しましたが本人もガンに倒れました。今　ももちゃんママがこうしているのは　その先生が
支えてくれたから・・・先生の胸に飛び込んで色々教えてもらいました。先生のご冥福を祈ります（合掌）

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